ビルトインコンロの消し忘れ防止機能は安全だけでなく料理もおいしくする

ビルトインコンロの消し忘れ防止機能は安全だけでなく料理もおいしくする

ビルトインコンロはこれまで独立していたテーブルコンロを、キッチンの一角に埋め込むことで使用するコンロのことです。キッチンに内蔵しガス栓や電気と直結することによって、グリル機能の使用や火力調節が可能になります。

そんなビルトインコンロが主流になっている理由は使い勝手が良いことですが、もうひとつは安全性が高いことです。そのビルトインコンロの安全性を支えている消し忘れ防止機能を紹介します。


テーブルコンロからビルトインコンロへ移行した理由

独立したテーブルコンロからビルドインコンロへ転換することが増えたのは安全性の高さが理由になります。テーブルコンロは置いたらガス栓と直結するだけで使えるので便利ですが、ただ置くだけで使う利便性が安全性を損なうデメリットになっていたのです。

固定せずに置くだけということは、突発的な引っ掛かりや地震の揺れに弱いことを意味します。固定されていないコンロが動けば、ガス栓が外れてガス漏れを起こすリスクと仮にガス栓が外れなくても火を使っていれば周辺に引火する恐れもあります。

その点キッチンに埋め込んでしまえば完全に固定できるので、体の引っ掛かりや地震の揺れが起きてもガス栓が外れる心配がなくその他の可燃物に引火するリスクが減少します。


安全性を支える消し忘れ防止機能が設置された理由とは

テーブルコンロから固定式のビルドインコンロへの移行は安全性の向上が理由といいましたが、もうひとつ安全性を支えているのが消し忘れ防止機能の実装です。キッチン周りでの火災原因としてガス漏れの次に多い理由になっていたのが、天ぷらなど油の過剰加熱による油の引火です。

調理中は目を離さないのでこのようなことは起きないのですが、不意に電話の応対やテレビで気になる映像などが流れると意識がコンロの火をつけていることから離れてしまいます。油というのは200度を超えると昇華する性質を持っており、その昇華した油に加熱した高温の空気が降れることによって引火してしまうという流れです。

可燃物の油によってエネルギーを常に供給される形になるので、一度引火したら消火器を使わない限り止めることはできないため被害が広がってしまいます。もちろん意識が離れるだけでなく、例えば地震災害が起きた際にコンロに近づけないなどの理由で引き起こされるということはあるのです。

消し忘れによる油の引火を防ぐために、ビルドインコンロに搭載されているのが消し忘れ防止機能Siセンサーというものです。

消し忘れ防止機能の仕組み

Siセンサーというのは、ビルドインコンロがコンセントや電池から電力を供給できることを利用してコンロの火元付近に温度センサーと炎検知センサーを設置した技術の総称です。先に言ったとおりに油の過剰加熱による引火というのは、加熱をし続けることで油が引火する200度以上の温度に達してしまうことで起きます。

そこでSiセンサーの温度センサーが鍋と周辺の空気の温度を感知して、180度以上になったら弱火にしてくれます。弱火にしても過剰加熱によるが止まらずに、鍋から火が出たら炎検知センサーが働いてガスの流れを停止してコンロの火を完全に停止させるのです。

これらの機能がうまく働くことによって、意識が離れることによる消し忘れや地震が起きた時に近づけない状態になってもこれらのセンサーが働くことで火災へのリスクをかなり軽減することができるのです。

消し忘れ防止機能が料理の成功率を向上させる

ビルドインコンロが普及した理由は消し忘れ防止機能がある事ですが、もう一つの理由がこの消し忘れ防止機能が別の副産物を使用した人に与えたのが大きいです。その副産物というのが、元々は安全のために設置していた温度センサーが料理をおいしくするというものです。

温度センサーをおさらいすると、鍋と周辺の空気の温度を感知して火を調節する役割を担っています。鍋と周辺の空気の温度を感知して火を調節できるということは、これから作ろうとしている料理に合わせて温度を変化させることができることを意味します。

その恩恵を一番受けられる料理が、天ぷらとコンロを使って炊いたご飯です。天ぷらは野菜や海産物などの食材に、小麦粉と水で溶いた衣につけた後に高温の油で揚げる料理です。天ぷらの良さというのは食材の食感と風味に加えて揚げた衣の食感が合わさったものですが、この食感を生み出すためには油の温度が重要になりますがこれが一番難しいのです。

例えば肉や芋類を揚げる場合は、肉は内部まで火を通すためと芋の中の酵素を働かせるために低温から揚げる必要があります。しかし葉物野菜や海産物は、低温から揚げると内部の水分が出てしまって食感が損なわれてしまいます。

これらの問題を解消するためには、それぞれの食材に合わせて油の温度を変化させる必要があります。しかし油の温度管理をするための従来の方法では、一度衣を油の中に落として浮き上がってくる速度を見て判断しなければならず素人では難しいです。

その点温度センサーを使って鍋と周辺の温度を判別できれば、それを数値として表すかコンロ自体がコントロールすることで適性温度にすることができます。ご飯の場合だとコンロの直火で炊くと、米の中に存在する酵素が働きやすくなり甘みの強い美味しいご飯が炊けるだけでなく香ばしいおこげを楽しむことができます。

しかしコンロでの直火炊きは火加減や加熱時間が難しく、この加減を間違えてしまうとすぐに水が蒸発してしまって芯が残るだけでなくおこげを作るどころか完全な焦げになってしまうことが多いです。これも温度センサーで管理ができれば、コンロがお米の炊き方にあった火の使い方をしてくれるので美味しいおこげができたご飯を炊くことができます。

消し忘れによる危険を防止するために設置した温度センサーが、温度管理と設定をできるようになったことで美味しい料理を作るのに役に立つ効果を発揮したことで普及したというわけです。

いくら消し忘れ防止機能がついているといっても注意点がある

ビルドインコンロには、消し忘れ防止機能がついているといってもいくつか注意点があります。この消し忘れ防止機能は、しっかりと鍋に密着していないと適正な温度感知ができず効果を発揮しないです。そのためコンロを使う際に焼き網を使う調理をする場合や、耐熱ガラス容器や土鍋などの熱が伝わりにくい容器や中華なべなど凹凸のある鍋だと密着しないのでセンサーが働かない場合があります。

これらの調理器具を使う時には、やはり引火しないように目を離さないのが重要です。当然ですが温度センサーや炎感知センサーに、油汚れなどが付着していると邪魔をして働かないことも起こります。そのため安全性を維持するためにも、2週間に一回はコンロ回りを拭き掃除してきれいにするのが大事です。